ASSOS SPEED CLUB in 苗場山麓ジオサイクリング

9月24日(日)、清々しい秋晴れに恵まれたこの日、新潟県中魚沼郡津南町に集まったおよそ150名のサイクリスト。今日ここで行われるのは、地元サイクリスト集団が立ち上げた「苗場山麓ジオサイクリング」と銘打ったロングライドイベント。私も2016年に開催されたプレ大会以来、7年振りにこの地を訪れました。イベント主催の中心人物 小島氏とは古くから親交があり、アソスが掲げるのソーシャルライド = ASSOS SPEED CLUB の活動の場として、苗場山麓ジオサイクリングにお邪魔させていただきました。

コースになっている苗場山麓ジオパークは、関越自動車道の湯沢ICからは一山越えて、さらに分け入ったところ。東京から日帰りで遊びに行くにはちょっとハードルが高い。そこは、手付かずの自然が残るリアルアドベンチャーフィールド。ASSOS SPEED CLUB の舞台としては申し分ない。スタート直後は軽快なダウンヒル、ほどなくして中津川沿いを走る国道405号へ合流。新潟県津南町と長野県栄村にまたがる中津川上流域は、秘境中の秘境「秋山郷」として有名だ。切り立った山に囲まれ、日本有数の多雪地帯ということからも、この土地に住む人々の逞しさは想像に難くない。

赤いアーチが印象的な前倉橋を渡るといよいよ本格的な登りへ突入。よくまあこんなところに道を通したな〜、と感心するのも束の間、勾配のキツさにギヤをインナーローへ、狭い道をヨロヨロと登っていく。正面に鳥甲山(トリカブトヤマ)が見えてきたら、そこはもう長野県の栄村。中津川を挟んで苗場山と対峙する鳥甲山は、南北に尾根を伸ばした山容から、登山家の間では「怪鳥が翼を広げた姿」に喩えられるそう。秋山郷を訪れたら目に焼き付けておくべき光景の一つだ。「布岩」は鳥甲山の火山活動によって作られた天然の造形美。柱状節理(柱状の割れ目)を持つ岩肌は、間近で見るとなかなかの迫力。

秋山郷と並んで、「苗場山麓ジオサイクリン」のシンボリックな景観と言えば、信濃川とその支流によって作られた日本最大の河岸段丘。河川の流れに沿って発達する階段状の地形は全国に見られるが、津南町の河岸段丘は雛壇状に九段にも及ぶというから、文字通り段違いのスケール。階段状の地形ゆえに、段丘面から段丘面へのアプローチが直登の急勾配となるのは必然。苦しさを紛らわすように、言葉を交わしながら登る ASSOS SPEED CLUB の面々。その甲斐あってか、急登を登り切った先に待っていたのは、どこまでも続く黄金色の大地。イベントの開催が秋のお彼岸と重なるとあって、まさに稲刈りの最盛期を迎える頃。たわわに実った稲穂が風に揺れる、そんな日本の原風景が胸に沁みた。

無事にゴールへ戻ってきて、改めて素晴らしいコースだったなぁ〜、としみじみ。「坂ばっか」、「坂と食を喰らえ」というキャッチコピーは伊達じゃない。平坦な区間がほんのちょっとあって、その他の区間はタフな登りと豪快なダウンヒルの繰り返し。そして、ゴールまで残り数キロ地点に待ち構えるのは、壁のような激坂だった。坂も、味覚も、景色も堪能。最後の最後まで楽しませてもらいました。

撮影 Studio104(新井俊幸、太田紀音)

SUMMARY

Rider:
HITACHI NORITAKA
Date:
2023.09.24
Distance:
108km
Elevation:
2500m
Road Surface:
TARMAC

ASSOS PROSHOP TOKYO
公式オンラインストア

ASSOS PROSHOP TOKYO 公式オンラインストアでは
ASSOS製品のウェアやシグネチャーグッズはもちろん、
SMITH製品などのASSOS以外の取り扱い製品もすべてご覧いただけます。