今回ご紹介させていただくのは、アソスレーシングシリーズの中核を担う半袖ジャージ、EQUIPE RS JERSEY S11 。同シリーズのビブショーツと合わせて、ジャージも「S11」世代へと移行しました。
エアロは正義! 袖の作りに込められた開発者魂
前モデルとの違いは何か? 袖の素材をご覧ください。エアログローブやエアロソックスと同じく、表面にストライプの凹凸構造が施されています。新しい EQUIPE RS JERSEY S11 では、肩から二の腕周辺にまとわりつく空気の乱流を抑え、進行方向に対してスムーズに風を受け流すように改良されました。
前モデルにおいても、密着度の高いフィット感、クーリング効果、軽量性、快適性など、あらゆる面で性能の高さに定評がありましたが、本作ではエアロパターンの袖を採用することで、レースシーンに向けて完全武装されたと言えます。
たかが袖と言うなかれ。前方投影面積で考えた場合、ロードバイクの車体よりもライダーの身体が占める割合が大きいのは間違いありません。グローブ、ソックス、ヘルメット、そして、ジャージの袖、一つ一つのエアロ効果は小さいかもしれませんが、小さな積み重ねがレースでは大きな結果に結びつくのです。
実際に、2023シーズンからアソスがサポートしている TUDOR PRO CYCLING TEAM の選手達も、EQUIPE RS JERSEY S11 をベースとしたジャージを着てレースに参戦しております。レースで1分1秒を短縮にはどうすれば良いのか? 袖のストライプ構造を見れば、開発陣の本気度がビンビン伝わってきます。
私個人的には、シャイニーな袖の質感に一目惚れです。ボディの素材がマットな質感であるのに対して、袖の素材はサテンのような光沢感があり、異素材のコントラストが何とも言えない高級感を醸し出しています。袖の仕様からこれほどオーラを感じるジャージは他にないでしょう。
袖だけじゃない、密かに進化している背中側の作り。
これは私の持論ですが、本当に良いジャージというのは、“背中の作りがしっかりしている”。背中側にどんな素材が使われているか、また、縫製パターンやバックポケットの仕様を見れば、そのジャージのレベルが想像がつきます。そのあたり、本作 EQUIPE RS JERSEY S11 では、きっちりと正常進化が見受けられました。
前モデルもそうでしたが、背面中央部に使われている素材は、横方向に伸縮性が高く、縦方向にはあまり伸びない特性を持っています。その最新バージョンが、Stabilizer V11 と呼ばれるクロスパターンを持ったメッシュ素材です。
横方向へ伸縮性が高いことで、どんな体型の方にもストレスなく、身体を包み込むようなフィット感が得られます。また、縦方向への伸びを抑制することで、バックポケットに荷物を入れた際にも、ジャージの裾が垂れ下がることなく、腰回りの安定したフィット感を保ちます。
バックポケットの作りはどうでしょう。ポケットの下側3分の1を背面中央部と同じ素材、Stabilizer V11 に切り替えることで、この部分の通気性が大幅にアップ。荷物を詰め込んだ状態でも熱が籠りにくく、汗が溜まるのを防ぐ効果があります。また、Stabilizer V11 素材の恩恵として、ポケットのマチが膨らみやすく、容量が増えると同時に、中の荷物が揺さぶられるのを防ぐことが出来るです。
エアロパターンの袖、背面のメッシュ素材、バックポケットの作り、どれも手の込んだ仕様です。レース目的ではないにしても、多くのサイクリストにとって満足度の高い仕上がりになっていると思います。写真では伝わりにくいかもしれませんが、実物はかなりカッコイイです。お近くの方はぜひ実物を確かめてください。皆さまのご来店をお待ちしております!