どうも、ASSOS PROSHOP TOKYO の常陸(ひたち)です。
突然ですが、皆さまこんなフレーズを聞いたことがあるでしょうか?

ASSOS is the shorts company. = アソスはショーツの会社である。

アソスが創業したのは1976年。それ以前のサイクリングショーツの素材と言えば、天然のウールが主流でした。また、お尻のパッドには鹿の皮(シャモア)が使われていたというのですから、今考えると、なんとも原始的な感じがしますね。

アソスの創業者トニー・マイヤー氏は、当時、スキーのレーシングスーツに使われていたライクラ素材に着目。世界で初めて、サスペンダー付き、ライクラ素材を使ったビブショーツを開発しました。パッドの素材も鹿の皮から高密度ウレタンフォームへ。これが、現在私たちが使っているハイテク素材を使ったビブショーツの原型となっているのです。

ビブショーツは多様化の時代へ

以来、革新的なアイデアと素材開発によって、世代交代を繰り返してきたアソスのビブショーツ。2022年の最新バージョンは、エアロと快適性が融合した「究極の装備」と言えるでしょう。一方で、サイクリング人口の増加とシーンの多様化にともない、「スピード」とは異なるベクトルの製品開発も進められてきました。

まずは、下の写真をご覧ください。
2022年度の春夏シーズンのカタログから切り取ったものです。

サスペンダー無しが1種類、サスペンダー付きが9種類、合計10種類。これらは全て春夏向けのメンズモデルです。さらに、カラーバリエーションもあって、パッド付きインナーショーツまで含めると、「男が下に履くモノだけで、どんだけ種類があんだよ!」と思わずツッコミたくなるほど。

アソスのビブショーツ、種類が増えすぎ問題

見た目にほとんど変わらない「黒いビブショーツ」が10個以上並んでいて、その中から、「お好きなモノをひとつ選んでください」と言われたら、ほとんどの人がパニック状態、思考停止に陥ってしまうのではないでしょうか。

実際に、ビブショーツを探しに来られたお客様からは、「ネットの情報を見て予習してきたんだけど、結局どれを選んだらいいのか?  自分では決められない…」といったお声も。

そのお気持ち、よ〜くわかります。長年アソスに携わってきた我々でさえ、これだけ種類があるビブショーツのスペック(仕様)を全て把握するのは一苦労。アソスは初めてというお客様にしてみたら、もうお手上げ状態ですよね。


種類の多さに惑わされてはダメ!

下の円グラフは、2022年2月に春夏物がスタートしてから約1ヶ月半、当店の実店舗ならびにオンラインストで実際に売れた「個数」をベースにして、ビブショーツの種類別に割合を示したものです。

このグラフから見えてくるのは、販売個数のトップ3によって、全体の75%も占められているという事実。続く4位以下は、サスペンダー無しの MILLE GT HALF SHORTS C2 が健闘しているものの、その他は、パラパラと売れている程度。

  1. MILLE GT BIB SHORTS C2                      36%
  2. EQUIPE RS BIB SHORTS S9 TARGA    25%
  3. MILLE GTS BIB SHORTS C2                   14%

もちろん、毎シーズン、コレクションの入れ替えがありますので、年度によって売れ行きの変動はあります。ただ、客観的な捉え方として、多くのアソスユーザーが最終的に3つの中のどれかを選んでいるということ。きちんと整理すれば、選択肢は3つもあれば十分ということが言えるのです。


のんびりマイペース? それとも、スピード命?

現行アソスのラインナップは、大きく2つのシリーズによって構成されています。
・MILLE GT = リラックスしたフィット感の「コンフォート系」
・EQUIPE RS = タイトなフィット感の「レーシング系」

さらに、それぞれのシリーズの中で、2〜3段階のグレード展開があり、派生系が存在したりと、体系的にイメージしていただけると分かりやすいかと。下の図は、ビブショーツを「コンフォート系」と「レーシング系」に分け、さらに、グレード別の販売個数の割合をざっくりと示したものです。

まさにピラミッド型とでも言いましょうか、一番下のエントリーグレードが一番数多く売れて、次いでミドルグレードの順、一番上のハイエンドグレードはごく僅かということが分かります。

それから、「レーシング系」ミドルグレードの人気が高いという点も見逃せません。実際にレースとして取り組んでいる人の割合は、ロードバイク人口全体の3%未満と言われています。それにも関わらず、「レーシング系」がこれだけ支持されているという事実。やはり、アソスの開発ステージはレースがメイン。「選手と一緒に表彰台を目指す!」そんな情熱が注がれた製品ですから、一度は使ってみたいですよね。

はっきり言うと、ビブショーツを選ぶ上で、実際にレースをしているかどうかはあまり関係ないんです。ショーツ選びで重要なポイントは、どういった「味付け」がお好みか? どれだけ投資できるか? ということ。

また、「ショートケーキの苺」論争じゃありませんが、最初に良いものを買うか、後に残しておくか、ご自身のポリシーで順番を決めることも大事です。


「〇〇な方にオススメ」

さてさて、前置きがかなり長くなってしまいましたが、ここからが本題。
タイトルにもある通り、アソスのビブショーツは初めてという方にも、そもそも、ロードバイク自体が初めてという方にも分かりやすく、製品のエッセンスを抽出して、「〇〇な方にオススメです。」的なコメントを添えさせていただきました。ここでお伝えする情報はよりシンプルに、出来るだけ小難しい説明は排除したつもりです。

以下、3つのジャンルに分けてご案内させていただきます。
・MILLE GT = 「コンフォート系」
・EQUIPE RS = 「レーシング系」
・「MTB」&「グラベル」&「シティライド」



MILLE GT BIB SHORTS C2

価格 22,000円(税込)
フィット:コンフォート系
パッドの厚さ:11mm ★★☆☆☆
距離の目安:10km 〜 300km

〜 こんな方にオススメ 〜
「サイクリング コンフォート」の概念を、大きく引き上げる結果になっている「快適性重視」のベーシックなビブショーツ。従来の「MILLE」グレードの面影がまるで無いほどに、2万円のビブショーツの性能がここまで高くて良いのでしょうか? マイペースでロングライドを楽しみたい全てのホビーサイクリストへ。初めてのアソスという方にもオススメします。



MILLE GT HALF SHORTS C2

価格 20,900円(税込)
フィット:コンフォート系
パッドの厚さ:11mm ★★☆☆☆
距離の目安:10km 〜 300km

〜 こんな方にオススメ 〜
サイクリングシーンのカジュアル化が進む現在、あえてサスペンダーの無いハーフショーツを好むユーザーの方が増えてきています。そんな方にアソスが贈る「基本性能がしっかり出た」ハーフショーツ。11mm厚の衝撃吸収性に優れたパッドは、どのような使い方にもマッチします。そのまま履く以外に、上からオーバーショーツなどを履くインナーとしての使い方もアリ。



MILLE GTS BIB SHORTS C2

価格 32,780円(税込)
フィット:コンフォート系
パッドの厚さ:13mm ★★★☆☆
距離の目安:50km 〜 600km

〜 こんな方にオススメ 〜
「レーシング」志向ではないけれど、「少し良い物」が欲しい。そんな方は是非このビブショーツを。シルキーで肌触りの良い OSSIDIA 素材と、13mm厚、2層から成るゴージャスなパッドにより、他ブランドならば最上位モデル程の性能を有しています。



MILLE GTO BIB SHORTS C2

価格 49,280円(税込)
フィット:コンフォート系
パッドの厚さ:21mm ★★★★★
距離の目安:300km 〜 1200km

〜 こんな方にオススメ 〜
「レーシング」ではなく「ラグジュアリー」。それがアソスが持つもう一つの側面。その方位を極めたビブショーツ界のファーストクラスがこちら。各所に奢られた快適仕様オプションの数々と、アソス史上最厚21mmのパッドで、国境をも越えて行けます。



EQUIPE RS BIB SHORTS S9

価格 32,780円(税込)
フィット:レーシング系
パッドの厚さ:9mm ★☆☆☆☆
距離の目安:10km 〜 200km

〜 こんな方にオススメ 〜
長らくアソスのビブショーツの屋台骨を支えていた、レーシングビブショーツ界の巨人。最新Ver.の座は後輩のTARGAに譲りましたが、その性能はまだまだ古びません。オーセンティックな「The 定番」的なモノを好む方にオススメ。



EQUIPE RS BIB SHORTS S9 TARGA
black  or  cyber blue

価格 38,280円(税込)
フィット:レーシング系
パッドの厚さ:9mm ★☆☆☆☆
距離の目安:10km 〜 200km

〜 こんな方にオススメ 〜
スッキリしたパッド。キリッとした履き心地。アソスのメインストリームのビブショーツの最新Ver.がこちら。「間違いないお買い物をしたい方」はこちらをオススメします。



EQUIPE RSR BIB SHORTS S9 TARGA
black  or  flamme d'Or

価格 49,940円(税込)
フィット:レーシング系
パッドの厚さ:9mm ★☆☆☆☆
距離の目安:10km 〜 200km

〜 こんな方にオススメ 〜
アソスの現在持てる技術の全てを注いだ、レーシングビブショーツの頂点。ビブショーツの FORMURA-1 。他のビブショーツとは全く異なる、クロノスーツと同じ素材で作られ、エアロ効果抜群! 1秒でも速く走りたい方に。



EQUIPE RSR BIB SHORTS SUPER LEGER S9

価格 39,820円(税込)
フィット:レーシング系
パッドの厚さ:9mm ★☆☆☆☆
距離の目安:10km 〜 200km

〜 こんな方にオススメ 〜
アソスのウェアを着たアバターを持つ、熱心な ZWIFT ユーザーの為に開発された、涼しさを極めた究極のインドア用ビブショーツ。肌感が強く出る透け透け素材で、これで屋外を走れる人は相当な猛者です!



MILLE GTC KIESPANZER BIB SHORTS C2(オフロード系 ビブショーツ)

価格 49,280円(税込)
フィット:コンフォート系
パッドの厚さ:19mm ★★★★☆
距離の目安:ダート10km 〜 300km

〜 こんな方にオススメ 〜
長く続く未舗装路の振動をしっかり吸収してくれる、19mm厚、2層構造の専用パッドは、他のパッドとは一線を画す超高密度な仕上がり。反発力が尋常じゃない。大容量のカーゴポケットは荷物の出し入れも簡単。未開の地を行く、アドベンチャーなライドで頼りにる相棒になること間違いなし。



TRAIL LINER SHORTS(オフロード系 インナーショーツ)

価格 19,800 円(税込)
フィット:コンフォート系
パッドの厚さ:9mm ★☆☆☆☆
距離の目安:ダート10km 〜 100km

〜 こんな方にオススメ 〜
マウンテンバイクやグラベルライドの際に、カーゴパンツなどの下に履くインナーショーツ。まるで肌着のような素材に、しっかりしたアソスのパッドを搭載したこのアイテムは、この使い方がハマれば、これに代わるアイテムが無いような唯一無二の存在です。様々な自転車の乗り方を楽しむ、自由でフレキシブルなサイクリストに。



TRAIL LINER BIB SHORTS(オフロード系 インナービブショーツ)

価格 24,200円(税込)
フィット:コンフォート系
パッドの厚さ:9mm ★☆☆☆☆
距離の目安:ダート10km 〜 100km

〜 こんな方にオススメ 〜
マウンテンバイクやグラベルライドの際に、カーゴパンツなどの下に履くビブサスペンダーの付いたインナーショーツ。まるで肌着のような素材なので下に履いた際にも通気性が抜群。背中のポケットに結構な収納力があるので、ポケットの付かないカジュアルなTシャツやネルシャツとの相性が意外と良いのがポイント。



BOXER(シティライド向け インナーショーツ)

価格 12,100円(税込)
フィット:コンフォート系
パッドの厚さ:8mm ★☆☆☆☆
距離の目安:5km 〜 100km

〜 こんな方にオススメ 〜
カジュアルなデニムやチノーズなどの下にも違和感なく履ける「ステルスパッド」が、ボクサー インナーショーツ。他のアソスのパッドとは全く異なる作りで、乗車時以外の時間もパッドの存在が気になりません。その華奢さからは想像しにくい、サドルの上での快適性に驚かれるはずです。


最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました。
一つ一つの製品については短くまとめたつもりですが、やはり、これだけ種類が多いと、どうしても長くなってしまいすね。改めて、ユーザー目線に立ってみると、「種類が多すぎて、訳がわかんない」状況になっていることを痛感しました。今回のブログを読んでいただき、ご自身にぴったりのアソスのビブショーツを見つけることが出来たら、我々にとっても嬉しい限りです。

また何かわからないことがあれば、いつでも我々にご相談ください。
皆様のご利用ご来店を心よりお待ちしております。

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