こんにちは! ASSOS PROSHOP TOKYO アイハラです。
先日の定休日はカミさんと二人、長野県北部と新潟県北西部を跨ぐエリア=信越地域を、グラベルバイクに荷物を積んで一泊二日、ぐるっと自転車で巡ってきました。以下その様子です。
千国街道(塩の道)
グラベルバイクに乗り始めた今年1月より、どこを走ろうか自分なりに色々ルートを調べている中で、日本有数の豪雪地帯である長野県北安曇郡小谷村と新潟県の妙高高原を貫く林道が存在することを知りました。過去に何度かスキーで訪れ、彼の地の冬の様子を知っている自分としては、聞くだけでゾクゾク武者震いがするようなタフなルートを想像。春頃から、いつか行ってみたいなぁと考えていましたが、ついに今回アタックすることに。
実はこの林道、あまりの豪雪ぶりから、例年6月下旬から11月中旬までしか通行することが出来ないルートです。夏が終わった頃から、いつ行こうか、タイミングを見計らっていたのですが、雨続きや仕事の都合で何度も機会を逃し、「今年は無理かな〜」と半ば諦めかけていたところでした。日に日に下がる気温。だいぶ紅葉が色づき始めたという情報。迫るゲートのデッドライン。決して理想的な天気予報ではなかったのですが、今回のタイミングが最後のチャンス! なんとかイケるだろうと判断。決行を決めたのは出発の二日前でした。
ライドのスタートは、いつもMTBダウンヒルでお世話になっている白馬岩岳スキー場。朝4時に横浜の自宅を出てクルマで岩岳へ向かい、到着後バイクのメンテやらパッキングやらで、ライドスタートは10時になってしまいました。スタート時の気温は12℃です。
白馬岩岳を出てから、栂池高原、白馬乗鞍、コルチナ国際とスキー場をはしごし、南小谷へ。かつて千国街道(現在は糸魚川街道)と言われたこの道は、日本海で取れた塩を松本市まで運ぶルートだったそうで、別名「塩の道」と言われています。日本全国に「塩の道」と呼ばれるルートがいくつかあるのですが、「敵に塩を送る」という故事の由来となった、上杉謙信が武田信玄に送った「義塩」はまさにこの道を通過したそう。言うなれば「 KING OF 塩の道 」です。
個人的には、小学生のスキー学校の時以来の南小谷です。そして南小谷駅より北に行くのは全くの初めて。
姫川と糸魚川街道に挟まれた細長い土地に、大糸線の中土(なかつち)駅がひっそりとありました。この駅はJR西日本管轄の駅で最も東にある駅だそうで、その「西日本」の表示を見てちょっとびっくりしました。
姫川を渡り、糸魚川街道を外れて進路を東へ。姫川の支流である中谷川に沿って、いよいよ長い長い上りの始まりです。
小谷ヒルクライム( OTARI HILL CLIMB)
上り始めてしばらくの中谷の集落。まるでおとぎ話のような世界です。春にまた訪れてみたいなぁ。
小谷村は自転車ヒルクライムのメッカらしく、ルートにはこのような看板が1kmごとに現れます。素晴らしい!
詳しくは OTARI HILL CLIMB さんの素敵なサイトをどうぞ。
集落が終わると、しばらく平均勾配7%程度の上りが続き、
だんだんワイルドな景色になってきました。
小谷温泉 山田旅館
上り始めて7km程で、渋い温泉宿に到着。ちょっとお邪魔してみました。
小谷温泉 山田旅館
秘湯好きの私たち夫婦には堪らない温泉宿です。その存在は知っていたのですが、ついに来ることが出来ました。このまま自転車を放っぽり投げて、ザブンと湯に浸かりたいところですが、今日はグッと我慢。いつかまた来るよ〜。
林道 妙高小谷線(乙見山峠)
山田旅館を後にし、さらに上ること暫く。雨飾山方面に向かうメインルートと、妙高方面に向かう枝道の分岐に出ます。今回はこの分岐を右へ。橋を渡り、ここからがいよいよ林道 妙高小谷線です。
前述の通り、雪により6月下旬から11月中旬までしか通行することが出来ないこのルート。少し前の極端な冷え込みにより、路面に多少の積雪があったようですが、今回通り抜け出来ることを事前に妙高市の情報サイトにて確認していました。
眼下には通ってきた道。
標高が1200mを越えた辺りから一気に木々が色付いてきました。
が、天候も怪しく…。徐々にガスがかかってきています。
そして標高1400m付近からは未舗装路に。ただでさえくたびれるダートの上りですが、ウェットだとさらに身体に堪えます。牛のようにゆっくりと。黙々とペダルを回します。
ダートになってから2km程。
遂に標高1510mの乙見山峠に到着。ここまでの走行距離はちょうど40kmです。上り始めの糸魚川街道の分岐からは19km程でしょうか。トンネルの向こうは新潟県。気温は5℃。
トンネルを越えた所で、思い切ってしっかり休憩を取ることにしました。時刻は既に14時を回っています。日没が気になりますが、体力の消耗が(特にカミさん)激しく、まずは体力回復を優先。この後、長い下り基調のダートが待っていますから、疲れて意識が飛ぶなんてことは避けなくてはなりません。
温かいスープとおにぎりとお菓子で体力と血糖値を回復した後、いよいよダートの下りへ。
遂に妙高山が姿を現しました。感動の対面。ここからあの麓の辺りまで下ります。
15km程続く、下り基調の森の中のロングダートは、最高に気持ちの良いコースです。今回私達が通ったタイミングでは、路面はとてもきれいで、転倒のリスクも低い道だと感じました。フロントにかかる体重を少し後ろの方へ逃してやると、装備の重さもあってか、気持ちよくバイクが前に進んでいきます。あとはドウドウドウと軽くいなしてやる感じ!? 知らんけど。
峠からある程度高度を下げた後は、標高1200m付近を行ったり来たりするフラットなセクションが随分と続きました。それでも徐々に高度が下り、少しずつ森の植生が変わり明るくなってきました。
笹ヶ峰
長い長いダート区間が終わると、そこは笹ヶ峰高原。
ご褒美のような、夕暮れの幻想的な風景。
ダート区間を抜けてさえしまえば、あとは日が暮れてしまっても大丈夫。結局、毎回日没後まで走っているので、すっかり慣れてしまいました。この後、日本最大標高差を誇る、妙高杉ノ原スキー場の長い下り区間を抜けて、この日の宿泊地の黒姫高原へ。宿に着いたのは18時。なんとかギリギリ!?夕食に間に合いました。
本日の走行距離 70km。獲得 1700m でした。
DAY2 へ続く