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アソスのスパイダーバッグが4世代目へ進化
2022年秋、アソスのスパイダーバッグが4世代目に進化して「GT SPIDER BAG C2 」という名で再登場しました。9月上旬の秋冬第1便で入荷していましたので、既にお使いいただいているお客様も多数いらっしゃるかと思います。
ロードバイク ユーザーに向けた、軽量・ミニマル・スタイリッシュなバックパックとして、自転車乗りの間ではもはや定番的なアイテムと言っても過言ではないスパイダーバッグ。当店がオープンした2010年は、初代スパイダーバッグの晩年に当たっておりました。お客様からのお引き合いに対し、製品の供給数が非常に少なく、入荷してはあっという間に売り切れるという状態が続いていたことを思い出します。
実は初代スパイダーバッグ、今も我が家に存在します。初代スパイダーバッグは、メッシュ素材のスタッフバッグに入っており、製品中央のファスナーを下ろすと、中にアソスのボールペンが付いているという、今考えると何気にゴージャスな仕様でした。そこから3世代が経過。しかし、2代目、3代目は個人的には所有しておりません。なぜか。
初代スパイダーバッグは、当時アソスが提唱していた「アフター ライド」ウェア、DB( = Dopo Bici)コレクション内に存在していました。その登場は恐らく2006年頃と思われますので、今から16年程前になります。それにしても当時の製品コンセプトが現在まで、全くブレていないのには驚かされます。
しかし各世代ごとに、使っている素材とそれが醸し出すイメージが異なっており、個人的には2世代目の「テラテラ。ちょいワル系」、3世代目の「フワフワ。スーパーレジェラ系(超軽量)」の見え方が好みじゃなく、「これなら初代の方がいいな」と触手が伸びなかった訳なのです。
しかしこの4世代目、初代と同じような端正でシンプルな「正統派」に回帰し、とても良くなったと感じるのは私だけでしょうか? 変な記号性が取れて、どなたにも使いやすい(取り入れやすい)見え方になっていると感じます。これならバックポケットのキャパシティの少ない女性が背負った際の見た目も、アソスらしい端正さに溢れており素敵です。また、素材感も含めて、ロードシーンだけでなく、今盛り上がりを見せているグラベルシーンなどにも違和感なくマッチすると感じます。
新しいメインファブリック AIR BLOCK 888 の素材感が良い
新型スパイダーバッグは、アソスオリジナルの新開発 3レイヤー 透湿防水性素材「AIR BLOCK 888」を荷室外側に使用しています。生地表面のジグザグ模様が印象的なこの素材は、同じく2022年秋冬シーズンからの新商品、EQUIPE R HABU WINTER JACKET S9 & TIGHTS にも使われている素材。軽量でありながらも、程よい重厚感と素材の肉厚さを持ち合わせており、素材にとても品があり、高級感をも感じさせます。ツヤ感・マット感の塩梅も非常に良い感じです。
コンパクトな見た目に反する大喰い振り
荷室へのアクセスは正面のファスナーから。全長27cmと非常に長いファスナー開口部により、コンパクトなボディながら荷物の出し入れがしやすく、意外なほどに大きな物や、変な形の物も飲み込んでくれます。さらに4世代目では、両サイドのファスナー付きスリットポケットが復活。マップやパスなど薄手の物を入れるのにとても便利です。さらに、内部背中と接する側には大きなスリットポケットも存在します。
背中と接する外側にもスリットタイプの隠しポケットあり。ここには何を入れましょうか。
見慣れた新ショルダーストラップ素材が、アソス感をさらにアップ!
ブラック × シルバーストライプの、見慣れたビブショーツのサスペンダーに使われている素材。これが今作ではショルダーストラップ材になっており、これにより「アソス感」「アソスらしさ」がさらにパワーアップしていると感じます。従来のただの黒いストラップに比べて、見え方の統一感が増しました。
さらにこの素材、新型スパイダーバッグのショルダーストラップへの採用に際し、安全性の為に強度が高められているというのも手が込んでいます。ビブショーツ&タイツの素材をそのまま流用しているのではありません。一方、縫い目や生地の折り返しが存在しない LAW CUT(切りっぱなし)処理された作りはそのまま。背負った際にウェアとの見た目・着心地の段差が生じず、非常にスマートで、肩周りの背負い心地は抜群です。
アジャスターなどが存在しないのが「アソス流」
アソスのスパイダーバッグの特徴が「ミニマル」。余計な物を付けないというのを美徳としています。したがって、スパイダーバッグには代々、ショルダーストラップにサイズ調整の為のアジャスターなどは存在しません。また、胸の前で繋ぎ合わせるハーネス等も存在しません。
ショルダーストラップ材の伸縮性のみで、男女問わずどのような体型の方にもフィットするように作られています。経験上、正直に申し上げると、本当に小柄で華奢な女性の場合、フィットが緩くなってしまうケースが稀にあります。一方で、身体が大きいという方に対しては大抵問題ありません。ウェア類 XLサイズ相当の方も全く問題ございませんのでご安心ください。左右のストラップには、ねじれを防止するスタビライザーが施されています。また、ストラップ下方にはリフレクターを配し、暗い時間帯の横方向からの視認性向上に役立ちます。
大きなセルにより、背中のクッション性と通気性が向上
新型スパイダーバッグの改良点の一つに、背中に当たる部分の下方の素材が通気性の良い素材に切り替えられている点があります。歴代のスパイダーバッグの背面は、全てが同一素材で構成されていましたが、4世代目となる当製品は、背中部分の下部に、通気性に優れた AIR MESH 3D パネルを施すことにより、クッション性と通気性を大幅に向上させています。これにより背負い心地がさらに良くなりました。大きくて嵩のあるセル(=マス目)により、接触部分の熱さが軽減されると共に、触れる部分に弾力を感じるようになっています。
活躍の場は自転車シーンだけではない
使わない際は、クルクルと丸めるとコンパクトになり、ジャージのバックポケット一つ分くらいに収まりますので、ライドの際にちょっとしたお土産を買いたい時などに携行しておくと、たいへん便利です。自転車に乗るシーンだけでなく、トラベルシーンや、日常的なシーンでも大活躍してくれること間違いなし。ご出張のお供にも。お財布、スマートフォン、手帳、ポーチ 、文庫本、etc…これ一つで結構持ち運べます。また、ランニングなど自転車以外のスポーツにもオススメします。
容量は約3.5L。従来品と比較し、僅かですが容量アップしました。これから寒さの増す季節、標高の高い所を走るライドの際は、天候や気温の変化に対応する為、シェルやグローブ、キャップ、ウォーマー類などの持ち物が増えます。そんな時に、バックポケットだけでなく、ある程度ガサっとまとめて持ち運び出来、且つ邪魔にならないスパイダーバッグは、確実に存在感が増します。
夏場はロックアイス入りスパイダーバッグが定番
一方、暑い時期の使い方としてオススメなのが、コンビニやスーパーで売っている袋入りのロックアイス(1kg程度がジャストサイズです!)を背負って走る使い方。これにより、冷却効果の高い、背中の肩甲骨付近を冷やすことが出来ます。中の氷が溶けてきたら袋の封を破り、冷たい水をボトルに移して飲みましょう!あまりに暑い時は身体にかけても良し。これをサイクリングの道中繰り返すことで、暑い時期のロングライドが幾らか快適になるはずです。
どのようなスタイルにもマッチするのが、新型スパイダーバッグ
以上、新型スパイダーバッグの特徴を見てきました。サイクリングシーンのカジュアル化・ボーダーレス化が進む現在、どのようなウェアやスタイルにもマッチする新しいスパイダーバッグの可能性というのは非常に高いものがあると感じています。上の写真のようなトレイル向けのジャケットとの合わせも問題ありませんし、バックポケットの付かないメリノウール素材のTシャツや、ネルシャツなどとの相性も悪くありません。皆様それぞれのスタイルの中で、大活躍してくれるアイテムだと思っています。
店頭ではこの製品を実際に手に取って、また背負ってみていただくことが出来ます。素材感、サイズ感、背負った感じを是非確かめてみてください。きっと気に入って下さるはずです。皆様のご来店、ご利用をお待ちしております!
投稿者:相原