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新年のご挨拶
新年明けましておめでとうございます。
当店 ASSOS PROSHOP TOKYO も年末年始の冬季休業をいただいておりましたが、本日1月5日(木)より営業再開、無事に2023年のスタートを切ることが出来ました。
ちょっと古臭い言い方になりますが、我々スタッフも原点を見つめ直し、サイクリストによる、サイクリストの為のお店を目指して取り組んでまいります。皆さまが主役となってサイクリングシーンを盛り上げていってください。そのお手伝いをするのが私たちの役目です。本年も変わらぬご愛顧のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
NEW YEAR RIDE in 秩父
さてさて、ワタクシ常陸のプライベートな話で大変恐縮ですが、新年1月2日の恒例行事「 NEW YEAR RIDE 」へ出掛けてきました。集まったメンバーは、「シクロワイアード」の編集長 綾野真さんを始め、奥武蔵界隈を根城にする手練れ衆。カラダは確実に歳を取っている筈なのに、なかなか楽をさせてくれない人たちの集まりです。むしろライドの内容は年々スパルタンになってるんじゃないだろうか?
秩父の外れ、山間の集落「芦ヶ久保」からスタート。朝8時台の気温は氷点下。初っ端からいきなりの激坂直登ルートは、「みんな体を冷やさないようにね」という、心優しきメンバーの配慮があってのこと。ウォーミングアップ無しでそのまま本番へなだれ込むという…。
芦ヶ久保からひと山越えて長瀞方面へ。山の南斜面は柔らかい日差しが降り注ぎ、さっきまでカラダに霜が降りそうなくらい寒かったのが嘘のよう。じんわりと体がほぐれていきます。
いにしえの旅人が行き交った古道に立ち、木立の隙間から秩父盆地を覗き込めば、街を遠巻きに囲む秩父外輪山を見渡すことが出来ます。外敵の侵入を許さんと言わんばかり、まさに天然の要害といった趣。
ランチは NEW YEAR RIDE の定番となっている長瀞のピザ屋さん villapawa(ビラパワ)へ。かつて秩父で栄えた養蚕農家の建物をリノベートした店舗は、当時の面影がそのまま残るどこか懐かしい空間。急な階段で二階へ上がると、南向きの大きな窓と木の温もりに溢れたテーブルが出迎えてくれます。冬季休業のお店が多いこの時期、新年1月2日から本格的な釜焼きピザがいただけるなんて、ありがたい限りです。
前半の山場 villapawa のピザを制覇して満足気な一行。しかし、言うなれば、ここまでは昼メシまでの時間調整に過ぎません。本当のメインディッシュはこれから。その舞台が長瀞町と寄居町の間にある隠れた激坂“釜伏峠”です。
勾配10%越えが続くアプローチに差し掛かると全員無口に…。壁にへばりつくように登って行きます。誰からともなくアタックを仕掛ける。お遊びとは言え、互いの意地と意地がぶつかる“脚の削り合い”。これが NEW YEAR RIDE で一番美味しいところなんです。
最大心拍数を叩き出し、なんとか釜伏峠のてっぺんに辿り着いた一行。ひとまず呼吸を落ち着かせて、目的地のひとつ“釜山神社”へ立ち寄ります。いつもは不信心な峠ジャンキーどもも、お正月くらいは日本人らしく初詣と洒落込もうぜ!といったところか? 背の高い杉林を真っ二つにかき分ける参道。山奥に忘れ去られたかの如くひっそりと佇む本殿。そして、神社の魔除けが狛犬ではなく、オオカミというのが面白い。秩父地方に残る“オオカミ信仰”が、今もこの土地の荒々しさを伝えているようだ。お正月らしい賑々しさとは無縁の社。いつからか時間の流れが止まっているような侘しさこそ、我々のような無頼自転車乗りの性に合っている。
初詣を済ませたと言っても道はまだ半ば。この後も林道から林道を繋いでひたすら冬枯れの中を進むのみ。日が傾き始めると気温は一気に急降下。地面にスーっと伸びた自らの影を見て、日没のタイムリミットが迫っていることを悟る。朝のスタート時と同じく、体を冷やさないようシェルを着込んで先を急ぐ。
最後に待ち受けるはロングダウンヒル。小気味良い九十九折れのコーナーリングを楽しみながら、何とか日が沈む前に戻ってくることが出来ました。
それにしても新年早々ハードなライドだったな〜。お陰で正月ボケなどする暇もなくシャキッと目が覚めました。大腿部の深層まで響くダメージを喰らいつつも、本気で遊んでくれる仲間たちに感謝しかありません。このライドを終えて、やっと新しい一年のスタートを切ったという実感。そして、来年のお正月もここに集まることを誓いつつ解散しました。
皆さまは年末年始をどのように過ごされましたか?
今年一年を元気で乗り切れるよう、寒さに負けず、目一杯サイクリンを楽しみましょう!
写真提供 MAKOTO AYANO / cyclowired