今回も2023年秋冬コレクションから、ワタクシ常陸が “コレは” というものをピックアップしてご紹介いたします。足先の“冷え”防止に効果的なシューズカバーなんですが、そんじょそこらのシューズカバーとはちょいと違いますぜ。アソスらしい“キレッキレ”のシューズカバーが登場したんです。
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タイトシルエット? エアロ効果を優先したシューズカバー
それがこちらの2点。パッと見は普通のシューズカバーのようですが、作りがやけにスッキリし過ぎているような…。
(左)RSR SPRING FALL SPEED BOOTIES
(右)RSR WINTER SPEED BOOTIES
製品名の「スピードブーティ」からピンときた人も多いでしょう。タイムトライアル用のエアロブーティをベースとして、対応シーズンを「春秋向け」と「冬向け」に開発されたもの。つまり、「エアロ効果」と「防寒性」をミックスした仕様になっています。フィット感はかなりタイト、レーシーなシルエットになります。
エアロ系のシューズカバーの特徴として、足首の部分にファスナーなどを用いた開閉機構は存在しません。その為、履き方も一般的な冬用シューズカバーとは異なります。ロードバイクのTTやトラック競技をやられている方ならご存知でしょう。ビンディングシューズを履く前に、ブーティに足を通しておきます。
製品内側のタグにもイラストが載っていますが、履き方は以下の通り。
① ブーティ上端の開口部より足を入れ、クリート部分の穴から足首が出る位置までブーティを引っ張り上げます。
②それからシューズを履きます。
③ブーティをシューズの方へ下ろすようにして、かかと側から被せていきます。
④最後に、つま先に向かってブーティをグイッと伸ばして、シューズ先端まで被せて完了。
最初は戸惑うかもしれませんが、コツを掴んでしまえば意外と簡単。間違って、先にシューズを履いてからブーティを被せようとすると、にっちもさっちも行かないのでご注意ください。さて、ここからは、「春秋向け」と「冬向け」、それぞれの素材の特徴を見ていきましょう。
RSR SPRING FALL SPEED BOOTIES
まずは、「春秋向け」の RSR SPRING FALL SPEED BOOTIES からご覧ください。
かかと〜足首を包み込む「Sonic SN」は、EQUIPE RS SPRING FALL JACKET の袖にも使われている素材。表面の縦リブ構造、プロのレースシーンではすっかり定着した感があります。エアログローブ、エアロソックス、エアロジャージなど、周囲にまとわりつく空気を引き離し、進行方向に対してスムーズに風を受け流すことが出来るのです。特に、足の周りはペダリングによって空気が掻き乱されやすので、効果が非常に大きい部分と言えます。
また、高密度なニット構造を持つ「Sonic SN」では、風がスースー抜ける感じはなく、適度な保温力と通気性のバランスが良いので、スネから下を心地良い暖かさで包み込んでくれます。
つま先部分を覆う「コーデュラ」は、やや張り感のある、ソフトシェルとネオプレーンの中間的な素材。防風性と撥水性に優れ、適度な肉厚による高い断熱性を発揮。峠の下り、急な雨に見舞われたシーンでも、つま先の冷えを防いでくれます。
RSR WINTER SPEED BOOTIES
続いて、「冬向け」の RSR WINTER SPEED BOOTIES を見てみましょう。
かかと〜足首を包み込む「AIR BLOCK 888」は、表面に僅かな凹凸を持つジグザグ模様が特徴的。EQUIPE R HABU WINTER JACKET S9 を筆頭に、最新のジャケット、タイツに使われているソフトシェル素材です。そうそう、GT SPIDER BAG C2(スパイダーバッグ)もこの素材ですね。
高い防風性に加えて、表面の撥水効果により小雨程度の雨や、濡れた路面からの跳ね上げを弾いてくれます。「スプリングフォール」がエアロ効果を重視しているのに対して、「ウィンター」は防寒性と耐候性を重視していると言えます。この辺りの性能の違いは、走る環境やスタイルによって選んでいただければ良いでしょう。
つま先部分は、表面に3レイヤーのソフトシェル「NEOS MEDIUM」を配置。より高い防風性と撥水性を発揮して、冷えに悩まされるつま先をしっかりガードしてくれます。プラス、裏地に起毛フリースを貼り合わせているので、暖かさは「スプリングフォール」よりも一段階上。また、透湿性も兼ね備えているので、ブーティ内部の汗蒸れを残さず、ドライで快適な状態を保ってくれます。
エアロと防寒性を兼ね備えた究極の機能美。
「エアロタイプのシューズカバーだから、そんなに暖かくないんでしょ?」と思われがちですが、いやいや、これが意外と暖かいんです。以前、同様のシューズカバーを使っていたから言えるのですが、シューズをラッピングするようにフィットするので、シューズ内の気密性が増して、隙間から冷たい風が入ってくることもなければ、中の暖かい空気を逃さない。この効果が非常に大きいんです。
それから、最終的にモノを選ぶ決め手として、見た目のスタイリッシュさも大事ですよね。不思議なことに、機能を追求していくと、見た目も美しいと感じるもの。アソスのスピードブーティは、一切の無駄を排除した「機能美」もお楽しみいただけます。フツウのシューズカバーに物足りなくなった方へ、キレッキレのスピードブーティをどうぞ!