今日はファスナーの話を少々。
皆さん、ウェアのファスナーのメンテナンスなんて、意識したことがありますか?
たぶんほとんどの人が、そんなこと考えたこともないのが実際かと思います。
いまさら的な話ですが、ファスナーは歯車の原理を利用しています。
ファスナーのギザギザのことを「エレメント」もしくは「務歯(むし)」と呼びますが、
スライダー(上下に動かす部分)を引き上げることにより、エレメント同士を一つ一つ
順番に噛み合わせ、閉じた状態をつくるのです。
歯車と歯車が噛み合う部分には、当然、潤滑の為の油分が必要です。
長期間の使用で、繰り返された洗濯により、元々ファスナーに付いている潤滑剤が
とれてしまい、ファスナーの滑りが悪くなっていくという訳。
ですので、ときどき潤滑剤を塗りなおしてあげると、ファスナーの良好な
コンディションを保てるのです。
ス~ッと動くファスナー、気持ちいいですよね!
反対にファスナーが上がりにくかったりすると、イライラしてしまいます。
特に今時期の寒くて手がかじかんでる時などは、なおさらです。
そして何より、ファスナーの滑りが悪いまま使い続けていると、エレメントを
飛ばして噛み合わせてしまったり、エレメントを破損したりして、ファスナーを
ダメにしてしまいます。気を付けましょう。
実際、ファスナーの修理依頼は非常に多いです。
ファスナーの滑りを良くするために、昔は蝋を塗ったり、金属用の潤滑油を塗ったり
していたようですが、いまはもっと良い物があります。
言わずと知れた世界最大手の日本のファスナーメーカーが出している、ファスナー専用の
シリコーンスプレー。東急ハンズさんや、ユザワヤさんなどで売っていると思います。
アマゾンでも売っているようですね。700円くらい。
通販発送前の検品時にファスナーの動きがイマイチな時などに、ひと塗り。
本来スプレータイプなので、「シュッ!」とやるものなのですが、染みになると嫌なので、
販売前の製品には、念の為、綿棒を使って塗っています。
ご自宅に自転車メンテ用のシリコーンスプレーがある方は、それでもいいと思います。
念の為、染みにならないか、様子を見てから使ってくださいね。
前述の「YKK」と、ドイツの「OPTI」です。
主に、薄手のジャージ類がYKK。ジャケット類がOPTIと使い分けています。
「OPTI」は、スイスの「riri」やイタリアの「Lampo」と並ぶ、高級ファスナー
メーカーの一つ。某高級ダウンブランドや、ドイツの大手スポーツメーカー、
ドイツ軍なども「OPTI」をチョイスしているようです。
OPTI(正式にはOPTILON社)が、世界で初めてコイルファスナー(樹脂ファスナー)
を開発した会社です。
ナイロンもしくはポリエステルのモノフィラメントを、コイル状に成型しエレメント
としたファスナー。金属製のファスナーと比べ、耐久性があり、何よりも軽いのが特徴。
現在のアソスのウェアは全てコイルファスナーを使用しています。
最後に。
ウェアを洗濯する際は、ファスナーを閉めてから、ネットに入れて、洗濯機へ
お願いします。ファスナーを閉じることで、ファスナー自体のトラブルを防ぎますし、
ギザギザのエレメントで他の衣類を傷付けることもありません。
以上、ファスナーのお話でした。