どうも、ASSOS PROSHOP TOKYO の常陸(ひたち)です。
前回ブログでもご案内の通り、2022年秋冬コレクションも第3便まで入荷し終えて、予定していたアイテムはほぼ出揃った状態になりました。なので、後はもう心置きなくお買い物を楽しんじゃってください。今シーズンの冬物はどうしようか? 悩んでいる時間はありませんよ。本格的な冬がもう間もなくやってきます。
今回は新着アイテムの中から、「EQUIPE R HABU WINTER JACKET S9」=「NEW ハブジャケット」について、深く掘り下げてみようと思います。ウィンタージャケットといえば、冬の装備の中でも「THE 主役」的な存在。お値段が張るというのもありますが、一度購入すると何年も付き合うことになります。だからこそ、機能性、デザイン、使い勝手まで含めて妥協せずに選びたいもの。
今シーズン注目の「NEW ハブジャケット」の実力はいかに? 皆さんも気になっていますよね。ここ数日、「NEW ハブジャケット」のお問合せが多いのも事実。実際のところどれくらい暖かいの? フィット感は? 皆さまの疑問が少しでも解消できればと思います。それではご覧ください。
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素材から滲み出るオーラ
まず、誰が見ても凄いと感じさせてしまうのが、ジャケットの顔とも言える素材の質感。フロントのボディおよびアームを構成する「AIR BLOCK 888」がまさにそれ。かすかな凹凸のあるジグザグ模様からもアソスらしい高級感が漂います。防風性、防水性、透湿性を兼ね備えた、いわゆるソフトシェル素材の最新バージョンです。
ちなみに、ハブジャケットのネーミングは、沖縄に生息する毒蛇「ハブ」に由来してるってご存知でした? 波の布と書いて「波布」= ハブと読みます。アソスの開発者が狙っていたかどうかは判りませんが、このジグザグ模様からも「NEW ハブジャケット」の為に開発された素材であることを妙に納得させられてしまうのです。
こんなに薄くて本当に大丈夫?
実際に「NEW ハブジャケット」を羽織ってみて、最初の印象は「柔らかくて着やすいな〜」ということ。アソスの場合、だいたい4~5年置きにモデルチェンジが行われるのですが、その度に「素材は薄く、軽く、ソフトになり、だけど、暖かさは以前と遜色なく、むしろ以前よりも暖かい」という方向に進化を遂げてきました。
私もこの仕事を続けて十数年、進化の過程を見てきましたが、この「NEW ハブジャケット」の変貌ぶりは群を抜いていると言えます。見た目はカッチリとした重厚感があるのに、いやいや、実際はヒラヒラとした軽快な着心地。こんなに薄くて真冬の寒さに耐えられるのか? ちょっと心配になるほどです。
「軽やかな仕立て」と「必要十分な暖かさ」の両立。
薄くて、軽い、だけど、しっかり暖かい。口で言うのは簡単ですが、相反する性質をどれだけ高いレベルで両立出来るかがメーカーの力量が問われるところ。それに対するアソスの答えが、twinDeck(二層構造)です。
ボディ表面を覆う「AIR BLOCK 888」の裏地に注目。ベースレイヤー(インナー)のようにサラリとした肌触りの「FIAMMA」(フィアンマ)という素材が使われています。防風と保温の2種類の素材により、外からの冷気の侵入を防ぎ、内側に自分の体温を溜め込む。ここまでは、ある意味ウィンタージャケットの基本性能と言えます。
twinDeck(二層構造)の真髄は、2つの素材の中間層が「空気のバリア」となって、例えるなら魔法瓶のような断熱効果を発揮すること。だから、少ない質量でもしっかりとした暖かさを感じることが出来るのです。快適な使用環境としては、外気温が 2~12℃ くらいが狙いどころ。太平洋側の比較的温暖な地域でしたら、その時期のインナーと組み合わせて1月2月の厳冬期も乗り越えられそうです。
ちなみに、イタリア語で炎を意味する「FIAMMA」ですが、吸汗速乾性にも優れた素材。ジャケット内に汗を残さず、ドライで心地良い状態を長持ちさせてくれます。
暑がりだけど、寒がりな方へ
「暑がりなんだけど、すぐに体が冷えちゃう」というお悩み、冬物を探しに来られたお客様からよく耳にします。矛盾しているように聞こえますが、これってロードバイクではよくあること。「暑がり」な人というのは、筋肉の量が多く、さらに、エネルギーとなる脂肪を蓄えている人。基礎代謝が高く、汗をかきやすい体質と言えます。自転車を漕いで汗をかく、そして、その汗が肌に残った状態で風を切って走ったらどうなるでしょう。 ハイ、「汗冷え」を起こしてしまいますね。
「暑がりなんだけど、すぐに体が冷えちゃう」というのは、汗の処理が追いついていない証。蒸れやすいウェアを着ていることが要因として考えられます。ウィンタージャケットに求められる機能として、絶対的な暖かさ以上に、どれだけ効率的に汗を処理できるかがポイント。「NEW ハブジャケット」の背中の内張をご覧ください。通気性、速乾性に富んだメッシュ素材が広範囲に使われているのがお分かりいただけるでしょうか。
改めて、内側は大胆なメッシュ使い。余計な汗蒸れをスムーズに外側へ排出してくれます。そもそも、背中の抜けが良いので、それほど汗をかかなくて済むとも言えます。総じて、カラダが汗で濡れているということがなくなり、「汗冷え」という最悪の状態を回避してくれるという訳。
脇の下にもちょっとした工夫
私も製品を裏返してみて初めて気が付いたのですが、脇の下の三角形のパネル、ほんの少しですが「RXフリース」が使われていました。脇の下は汗腺が集中している部分。そこへ保温性の「RXフリース」を当てることで、脇汗をキャッチしつつ、冷たく感じさせないようにという配慮が伺えます。芸が細いですな。
気が利いている「アクセサリーポケット」
アソスらしいギミックのひとつが左の「みぞおち」付近に設けられたアクセサリーポケット。冬場もしっかり走る人こそ、このポケットの意味をすぐに理解していただけるのでは。
重ね付けするタイプのインナーグローブやシェルグローブなど、使わない時に収納しておくのに便利です。場所的に背中のバックポケットよりも出し入れしやすいのも利点。補給食や小銭など、いざという時にさっと取り出すことが可能です。今どきは、マスクやハンカチを入れておくのにも便利ですね。フラップ付きの伸縮素材で覆われているので、中身が飛び出したり、揺さぶられる心配もありません。
首元を優しく包む3D構造
以前に紹介させていただいた春秋向けのジャケット「MILLE GTS SPRING FALL JACKET C2」と共通する部分ですが、「struzzo Kragen」= 直訳すると「ダチョウの襟」と名付けられた襟の作り。素材感は非常にソフト、そして、ほんのり感じる暖かさ、そして、最大の特徴は、首回りが窮屈に感じにくい3D構造です。
ファスナーを上まで閉めても苦しく感じません。隙間なくフィットし、かつ、指を入れても余裕なくらい伸縮性に富んでいます。ミドルハイネックの襟が首元から胸部までをふんわりと暖め、冷たい風から気管支を守ります。寒い日はネックウォーマーを併用していただくとより効果的。その際、ネックウォーマーが襟の内側にスッキリと収まるように計算されたカタチになっています。
隠れたところまで演出
ファスナーエンドの内側に設けられたシリコン製バッジもご覧の通り。ファスナーの金具がウェアに干渉しないための工夫ですが、アソスのウィンターコレクションを示すブルーの差し色、そして「CLIME CODE 3/3」(クライマコード スリー サード)の文字が刻まれています。見えないところまでデザインするのがアソス。憎い演出です。
ブラックとイエロー、売れ筋はどっち?
入荷してからまだ日が浅いのですが、現在までの売れ行きを見ると、3対7くらいの割合でイエロー(蛍光)の方がリード。視認性の良さ、メリハリのあるツートーンカラーが受け入れられているようです。
個人的には思ったよりも差がついたなぁという印象。私もイエローにしようと思っていたのですが、やっぱりブラックにしようかな…。天邪鬼という訳ではありませんが、ブラックの方が見た目が地味な分、「AIR BLOCK 888」の独特な素材感が浮き立つような気がします。う〜ん、どっちも捨てがたい。しかし、早く決めないと自分のサイズが売り切れに…。
どちらカラーにせよ、アソスの職人魂が詰まったジャケットですから、ひと冬の間フルに活躍してくれることは間違いありません。そうそう、私がロードバイクに乗り始めた頃、最初に買ったウィンタージャケットがまさに初代ハブジャケットでした。まだこの仕事に就く前のこと、当時、東日本橋の店でアイハラ店長から買わせていただいたきました。(笑)
あの時の感動が蘇るな〜。
お近くの方は、ぜひ実物を手に取ってご覧ください。
皆さまのご来店ご利用を心よりお待ちしています。
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