みなさん、こんにちは! ASSOS PROSHOP TOKYO アイハラです。
前回のブログ / 渋峠ヒルクライムの翌日は、群馬県吾妻郡中之条町をグラベルライディングしてきました。以下、その様子です。

「この地域の温泉は川の底から湧き出しているから、出来るだけ川に近い、低いところにある湯船が良い。生の温泉を味わえる。」そんな温泉ウンチクがあるとか、ないとか。

四万の病に効くと言われる "生の" 温泉に浸かり、身体を癒したおかげか、前日の渋峠ヒルクライムの疲れはほとんど残っていない。問題は空模様。当初よりこの日は雨予報で、東京は結構な雨量になりそうとのこと。「渋峠に上がった翌日に走れる可能性は10%くらい? ほとんど無理だろうな。」今回そもそも、そんな感じで群馬の山の中までやってきたのですが…

朝、すぐ隣を川が流れる湯船に浸かって空を見上げていると、確かに雲は掛かっているのだけれども、空は結構明るい。そしてなにより気温が低くない…。これはイケる!私の本能がそう言っています。

前日、渋峠からの大パノラマを満喫し、充分満足していたはずのカミさんをなだめ、二日目のライドがスタート。今にも降り出しそうな低い雲が垂れ込めている奥四万湖。時刻は既に10時を回っています。ちょっと宿でのんびりし過ぎ。

本日の「四万ブルー」はこんな色。絵の具を溶いたような白っぽいネイビーは、これまでに見たことがない水の色でした。季節とか天候など、タイミングによって、ずいぶんこの青の色が異なるのだとか。


四万温泉の中程付近からメインルートを逸れ、早くも未舗装路へ突入です。万沢林道は新湯林道とも呼ばれ、四万温泉を流れる新湯(あらゆ)川の源流に向かって進む山越えのルート。林道入口付近の標高は700m程度です。

この辺りはまだ新緑の季節。曇り空の下ですが、グリーンの色が鮮やかです。



基本的には、踏み固められて走りやすいダートなのですが、時折荒れた路面と、きつい斜度の区間が現れます。


ありゃりゃ。カメラを構えてる最中に転ぶ人。


そのような場所でこうなってしまうと、再乗車するのは難しく…


おとなしく、押すのが正解。

実際、拳ほどの大きさの石が敷き詰められた区間を、乗ったまま通過するのはなかなか難しいです。こういう所では、もう少し太いタイヤだといいのでしょうね。ちなみに我々のタイヤは完成車購入時そのままの 700C × 38mm です。

そんなこんなを繰り返し、いいかげんダートの上りに飽きが来た頃。植生が変わり、万沢林道のピーク付近へ。この辺り、道はなぜか舗装されています。

標高1400m付近のピーク付近で休憩。ここまで万沢林道に入って11kmほど。既に2時間、ダートと格闘しています。このカミさんの背中。なにをか言わんや。的な…
とにかくハンガーノックになるのが怖いので、たっぷり持ってきた食料の内、パンなどをこまめに補給していきます。あと、お腹が空いてるとイライラしますからね。どんどん食おう!

万沢林道、悲しいかな。基本的にずっと山の中で、ほとんど景色がありません。これがまた夫婦の間に流れる空気を悪くするのです。

こうなると、下りを楽しむしかありません。イエ〜イ!

しかし下り区間にも、時折結構な斜度の箇所が現れます。実際こういう荒れた路面の大きなカーブ、結構怖いんですよね。

長い下りダート区間をようやく終えた時、本日初めて出会った方が、こちらの方。
何故かガードレールの上にちょこんと乗ったまま、我々が近付いても全く逃げません。ハートマークのくちばしがとってもキュート。「仲良くしろよ〜」とでも言っているのでしょうか。

山の中で鳩に癒される、ちょっと不思議な体験。
さらに進みます。

川を渡るということは、そこが一番低いわけで、再び上ります。だいぶカミさん、脚に来ているようですな。アタマにも来ているようですが…。

とその時、今度は私の身に!

クリートが緩んでグラグラになっただけでした。
前回の八ヶ岳ではフラペで臨みましたが、上り区間の疲労感が強かった為、より上りが多い今回はビンディングに戻しました。やはり上りが多いコースでは、ビンディングだとだいぶ楽というのが実感です。

林道の最後は、通称「万沢ストレート」!
2kmほどの一直線。ただの採石場へのダンプの為の幅広な道のようですけどね…。

ついに万沢林道を抜きました! ここが林道出口です。
四万温泉側の林道スタートから22kmほど。4時間強かかっています。自分たちの場合、ダート5kmでおおよそ1時間ですな。


舗装路に出てから、野反湖まではさらに約5kmの上りです。標高1100m地点から1500mまで上がらなければなりません。身体が感じている大きな疲労感と、ここまで僅か20kmちょいしか走っていない現実のギャップ。恐るべし。ダート林道。
野反湖には向かわず、そのまま山を下る選択肢もありますが、残り5kmまで来て果たせず帰るという判断は、私には出来ませんでした。

せめてもの救いなのは、雨がほとんど降らずにいてくれてること。標高の高い野反湖の辺りでは降られるかなと懸念していたのですが、空は持ってくれていて、気温も10℃とそこまで低くありません。
問題なのは時間です。既に15時を回っていますが、まだランチを取れていないのです。ちょこちょこパンなどを食べながらここまで来ましたが、さすがにその手の食料も尽きました。
「向こう側の斜面に草津の街が見えてるよ〜!」にも、完全スルーのカミさんです。それにしても最後の2kmの坂のキツいこと。


そして遂に。プラス5kmの苦しみを味わった後のご褒美が、こちらの景色!
当店常陸が愛して止まない野反湖。彼から是非行ってみてくれと言われていたのですが、確かに素晴らしいところです!ようやくここに来ることが出来ました。ダケカンバの林の奥には、遠く雲の切れ間に長野県栄村方面の山が輝いています。
そしてここにも、誰も居ない。この景色の中で居るのは我々だけ。何よりもそれが最高です。

いま我々に必要なのは、ちゃんとした休憩と補給だ!
帰りが遅くなる(=暗くなる)ことを覚悟して、15時半から食事の支度。今日のランチはフリーズドライのカレー&シチュー。そして白飯。食後のホットコーヒーまできちんと飲んで、1時間の食事休憩が終了。16時半に野反湖を後にしました。

道の駅 六合(くに)まで一気に下り、最後の難所、暮坂峠へ。
標高700m付近から暮坂峠の頂上1088mへは7km程の上り。ですが、常時4〜5%程度の舗装路の坂は、これまでダートの上りと格闘してきた我々にはほとんど平地です。カミさんもスイスイ上っていきます。


暮坂峠のピークに差し掛かる頃、右手の森の中の湿地帯をジャブジャブ歩く音が聞こえると思ったら、国の天然記念物でもあるニホンカモシカが二頭歩いていました。(上の写真の中心、黒いのがニホンカモシカです。うまく撮れず。)
夫婦なのでしょうか。一頭が先に行き、安全を確認して「ピー」と鳴くと、後ろからもう一頭が来る。「何だか俺らみたいだな。」と思いながら、彼らが森の中に消えていくのをずっと見ていました。


歌人、若山牧水がかつて越えたという暮坂峠。歌碑やリトル牧水像などが建っています。眺望は無い峠ですが、あまり他にはない雰囲気のところで、気に入ってしまいました。


さてさて、先を急がねば。そろそろ日が暮れかかっています。
沢渡温泉を越えた四万川に掛かる橋までは、またひたすらの下りです。


夜の温泉街を自転車で遡上。川に沿って上下に長い四万温泉を体感。

そして本日のライドがようやく終了。四万温泉の最上流部に停めたクルマに到着したのは、まさかの19時45分。結局この後、時間が遅すぎて風呂にも入れず、食事も出来ず。帰京する道中、コンビニで焼き鳥とおにぎりの夕食でした。

本日の走行距離80km。獲得標高2100m。当初、距離65km程度と踏んでいたので、プラス15kmの差異は結構問題ですな。そりゃ時間かかる訳です。もっと綿密に計画しなければ…。反省の多い今回のライドでした。

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