約1年ぶりに帰ってきたアソスのソーシャルライド = ASSOS SPEED CLUB(以下、SPEED CLUB)。今回も企画段階からライドのアテンドまで、ワタクシ常陸が担当させていただきました。今回ライドの舞台に選んだのは、新潟県津南町で開催される「苗場山麓ジオサイクリング」(以下、ジオサイ)。東京の店がなんで新潟のイベントに? と思われるかもしれませんが、これにはちょっとしたご縁がありまして…。

実は、ジオサイの実行委員長を務める小島氏とは旧知の仲。小島氏より「コロナも落ち着いたことだし、久しぶりにジオサイに遊びに来ないか?」と誘われたことがきっかけに。ちょうどその頃、SPEED CLUB のプランニングに頭を悩ませていた私にとって、小島氏のお誘いは渡りに船。「ジオサイ」と「SPEED CLUB」を掛け合わせて、ユーザーを巻き込んだらエキサイティングなライドになるに違いない!

そうと決まれば話は早い。自転車関連の総合メディアシクロワイアード」の編集長 綾野さんにお願いして、昨年に続いて SPEED CLUB のメンバーに加わっていただくことに。

そして、ジオサイを通じてアソスの世界観を取材していただくことになりました。綾野さん、ホノルルセンチュリーライドの取材とバッティングしていたようなのですが、私が無理やりこっちに引き摺り込んでしまったみたい。まさかOKしてくれるとは、なんて良い人だ〜。私なら迷わずホノルル行きを選びますけどね。

詳しいことは後日、シクロワイアードさんの記事をご覧いただくとして、私からは簡単なレポートとしてお伝えさせていただきます。いざ、上越国境を飛び越えて日本海側へ!

髑髏ジャージ、再び集結

9月24日(日)、清々しい秋晴れに恵まれたこの日、ジオサイの会場となるニュー・グリーンピア津南に集まったおよそ150名のサイクリスト。その中に我々 ASSOS SPEED CLUB も混ぜていただきました。

前回と違って、参加条件に髑髏ジャージ着用の縛りを設けなかったのですが、期せずして髑髏ジャージがズラリ。こうして並んでみると迫力ありますな。そして、足元にもご注目ください。

SPEED CLUB の髑髏をあしらったソックスは、今回集まってくれたメンバーへのサプライズプレゼント。アソス本国から取り寄せていたものを前日の夕食会でお配りさせていただきました。ちなみに、こちらの髑髏ソックスは非売品となります。販売用に取り扱いがございませんので悪しからず。

皆さんは「苗場」というワードから何を連想しますか? 白銀のゲレンデ、リゾートホテル、そして、頭の中でユーミンの曲が流れてしまったあなたは、若き日の幻想に取り憑かれているかも。

ジオサイのコースになっている苗場山麓ジオパークは、バブル期に急成長した人工的なキラキラ感とは無縁の地。関越自動車道の湯沢ICからは一山越えて、さらに分け入ったところ。東京から日帰りで遊びに行くにはちょっとハードルが高い。その分、手付かずの自然が残るアドベンチャーフィールドが広がっているのです。

 

秘境 秋山郷を行く

スタート直後は下り基調。この下りが何を意味するのか? 帰りのことを考えると不安しかないけど…。ほどなくして中津川沿いを走る国道405号へ合流。

新潟県津南町と長野県栄村にまたがる中津川上流域は、両町村に点在する集落の総称として秋山郷と呼ばれます。源頼朝に敗れた平家の一族が草津から逃れてこの地に移り住んだとか。そういえば、中津川の源流は群馬県の野反湖や草津まで遡るんだよなぁ。

長年の侵食によってえぐられた谷底から岸壁を見上げれば、日本海が誕生した頃の地層が剥き出しに。赤いアーチが印象的な前倉橋を渡るといよいよ本格的な登りへ突入します。よくまあこんなところに道を通したな〜、と感心するのも束の間、勾配のキツさにギヤをインナーローへ、狭い道をヨロヨロと登っていきます。

正面に鳥甲山(トリカブトヤマ)が見えてきたら、そこはもう長野県の栄村。中津川を挟んで苗場山と対峙する鳥甲山は、南北に尾根を伸ばした山容から、登山家の間では「怪鳥が翼を広げた姿」に喩えられるそう。秋山郷を訪れたら目に焼き付けておくべき光景の一つです。

「布岩」は鳥甲山の火山活動によって作られた天然の造形美。
柱状節理(柱状の割れ目)を持つ岩肌は、間近で見るとなかなかの迫力。

 

稲穂が揺れる、日本一の河岸段丘

秋山郷と並んで、「これぞジオサイ!」と言わしめる景観が、信濃川とその支流によって作られた日本最大の河岸段丘。河川の流れに沿って発達する階段状の地形は全国に見られますが、津南町の河岸段丘は文字通り段違いのスケール。ひな壇状に九段にも及ぶそうです。

階段状の地形ゆえ、段丘から段丘へのアプローチは直登の急勾配になりがち。苦しさを紛らわすように、言葉を交わしながら登るメンバー。そして、段丘を登り切った先に待っていたのは、思わず叫びたくなるほど気持ちの良い景色でした。

ジオサイの開催が秋のお彼岸と重なるとあって、まさに稲刈りの最盛期を迎える頃。たわわに実った稲穂が風に揺れ、見渡す限り黄金色の大地と化していました。ここにも苗場山の恵あり。山の栄養をたっぷり含んだ雪解け水が流れ込み、土地が肥え、美味しい津南産コシヒカリを育ててくれるんですね。

 

坂も、味覚も堪能、仲間と過ごした濃密な一日

私も7年振りにジオサイを走りましたが、改めて素晴らしいコースだなぁとしみじみ。平坦な区間がほんのちょっとあって、その他の区間はタフな登りと豪快なダウンヒルの繰り返し。そして、ゴールまで残り僅かという最終盤に待ち構えるのは、壁のような激坂。最後まで楽しませよう(苦しませよう)という、主催者側のホスピタリティを感じました。

一本の登りがそれほど長くないのが良いですね。景色を楽しんでいるうちに気がついたら標高を稼いでいるといった感じ。ログデータを見返したところ、走行距離108km、獲得標高2550mという結果に。

それにしてもしんどかったなぁ。マイペースで淡々と走っていれば、そこまで疲労感はなかったかもしれないけど、なにせ血の気の多い輩(オレもか?)が挑発気味にアタックを仕掛けたり、トレインが暴走するもんだから、着いて行くのがやっと。本来のジオサイはゆっくり景色を楽しむイベントなので、皆さんは真似しないように。

そうそう、忘れちゃいけないのがエイドステーションで振舞われた絶品料理の数々。山菜蕎麦、熊汁、お芋の煮っ転がし、米粉を使ったシフォンケーキなどなど。どれも美味しくて、ちょうど良いボリューム感でした。

個人的には新米コシヒカリを使ったおにぎりがイチオシ。自然の恵がギュッと詰まった美味しいお米。これが最高の贅沢かもしれません。この日のために用意してくださった地元の方々に感謝です。

ゴール後はお楽しみ抽選会が行われ、参加者全員もれなく景品をゲット。さらに参加賞として地元の新鮮野菜や新米が配られると、両手いっぱいのお土産に思わず笑みがこぼれます。いや〜、最初から最後まで盛り沢山な一日だったなぁ。

今回紹介させていただいたのはほんの一部ですが、興味を持っていただいた方は、来年の「苗場山麓ジオサイクリング」に参加してみてください。なんなら来年も私がアテンドしちゃいましょうか? 皆様の参加表明をお待ちしております。

 

カメラマンのお二人に感謝

最後になりますが、我々 ASSOS SPEED CLUB を追いかけてくれたカメラマンのお二人にも感謝。前回の「奥武蔵編」に続き、今回も「Studio104」の新井俊幸さんと太田紀音さんにシューティングしていただきました。さすがプロ、写真からその場の空気が伝わってくるようです。我々メンバーも実物よりも20%増しでカッコ良く撮れているとか? しかも、今回はドローンまで飛ばしていただいて、空からのダイナミックな構図も。

土地勘の無い場所での随行撮影は大変だったと思います。コースを頭に叩き込んでおかないといけないし、前日から現地入りしてロケハンをしていただくという徹底した仕事っぷり。本当に頭が下がる思いです。もはや、ASSOS SPEED CLUB には欠かせないお二人。レギュラーメンバー入り決定か? 次回の ASSOS SPEED CLUB でお会いしましょう!

~ 追記 ~
シクロワイアードの綾野編集長による参戦記事が公開されました。私も早速拝読させていただきましたが、ジャーナリストかつ経験豊富なサイクリスト目線でのレーポートはさすが。その土地の成り立ち、食文化、地元の人の温かさなど、イベントの魅力が手に取るように伝わってきます。イベント主催者のコメントを読むと、改めて、「苗場山麓ジオサイクリング」に参加して良かったなぁ〜、とじんわり込み上げてきました。皆さんも是非読んでみてください。シクロワイアードさんの記事は下記リンク先よりどうぞ。

ドクロをまとって津南町〜栄村・秋山郷を走った ”苗場山麓ジオサイクリング”

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