ASSOS PROSHOP TOKYO のアイハラと申します。ASSOS(アソス)というスイスのサイクルウェアの専門店を東京 東日本橋で営み、まもなく10年が経過します。
中学生の頃からスポーツ自転車に乗り始め、途中ブランクがありましたが、再び20代後半からロードバイクに乗るようになり、45歳の現在までロードバイク、マウンテンバイクに乗り続けています。

新型コロナウイルスが世界的な蔓延を見せ、私たちの毎日にも深刻な影響が出つつあり、移動の禁止や外出を避けるような指示があったりと、閉塞感のある日々が続いています。

ですが、私たちサイクリストには「自転車」という乗り物がある分、世間一般の人々と比べ、随分とマシなのではないかと感じています。
何が「マシ」なのかを、正確に言葉にするのは難しいのですが、「自転車を趣味としていて良かった。」「自転車が生活の一部にあるから、まだ救われている。」私の場合はそう思えるのです。

こんな時だからこそ、あらためて「自転車」という乗り物の魅力について考えてみたいと思います。


私アイハラが考える、自転車の魅力は以下のような点です。


1. ペダルを漕ぐことは運動になり、健康に良い。適度な汗を掻くことが出来る。肉体的な健康。
2. 気分転換になる。日の光を浴びて風を感じながら走ることで、日常を忘れることが出来る。精神的な健康。
3. 季節を肌で感じることが出来る。
4. 一人で遊べる。対戦相手や人が集まらなくても出来る。
5. 自転車の乗り方は様々で自由。時間も強度も自分次第。
6. 大人子供、男女の違いを越えて、一緒に走ることが出来る。家族や仲間で同じ時間、体験を共有出来る。
7
. 移動を伴うので、旅の要素を含んでいる。走っていると新たな発見があり、好奇心を刺激してくれる。
8. 誰でもすぐにサイクリストになることが出来る。自転車に乗るのに資格は必要ない。


一つずつ見ていきましょう。

1. ペダルを漕ぐことは運動になり、健康に良い。(肉体的な健康)

自転車に乗っていると、思っている以上に汗を掻きます。例えそれが寒い時期であっても、漕ぎ出して20分もすれば、気がつけば寒さを忘れ、身体全体が暖まっている。
夢中になってペダルを漕いでいると、知らないうちに意外とカロリーを消費しており、そのことに気付かず、いつの間にかエネルギー切れを起こしているなんてことも。

自転車を漕ぐ時に使う筋肉は、お尻から太ももの裏側にかけての大きな筋肉が主となります。この大きな筋肉は疲れにくく長持ちするという特性を持っています。
この大きな筋肉を日々使うことにより、基礎代謝が上がり脂肪が燃えやすくなるので、サイクリストにはスラッとした体型の人が多いのです。

またサイクリングは、運動中に身体に直接的な衝撃が加わらないので、膝や腰など各部位にダメージが出にくいのも、良い点かと思います

2. 外を走ることで気分転換になる。(精神的な健康)

個人的には、自転車の魅力は屋外を走ることにあると思っています。ですので私は、室内でローラー台に乗ったりするようなことは、現在は全くありません。

自転車に乗っていると、道路や、周りの人やクルマの状況を、認知し、判断し、行動することを繰り返しています。カラダだけでなく、結構アタマを使っていることを意識します。
特にオフロードを走る時などは路面状況の確認、ライン取り、ギアの選択、サドルの高さの調整など、考えることがたくさん。ぼんやりしている暇はありません。

そのような状況の中、太陽の光を浴びて、風を受けながらペダルを漕いでいると、そのことに没頭していて、日常の(嫌な)ことなんかはすっかり忘れてしまっている自分がいるのです。

もちろん自転車を降りれば、そこにはまた現実が待っているのですが、例え僅かな時間でも日常を忘れ、気分転換が出来ていることは、そうでない場合と比べて随分と違うのではないかと思います。

3. 季節を肌で感じることが出来る。

自転車に乗って外を走っていると、自分の中の感覚が、いつもより少し鋭くなっているような気がします。
不安定な自転車という乗り物に、剥き出しで乗っていることで、自然と身体がたくさんの情報を取り込もうとしているのかもしれません。

ですので、自転車に乗っていると空気の冷たさの違いや、匂いなどにはすごく敏感です。同じ場所に来ても「先週と全然違うぞ」とか、「季節が完全に変わった」などと感じられるのです。
特に今の時期、冬から春にかけての季節は、自然界のあらゆる生物が動き出す季節。自転車に乗っていると、そのことを、文字通り肌で感じることが出来ます。

日本のように四季のはっきりとした国で自転車に乗れることは、とても幸せなことなのかもしれません。

4. 自転車は一人で遊べる。対戦相手や人が集まらなくても出来る。

かつてサッカーとテニスの経験がある私。どちらも対戦相手や仲間が必要です。一人でやっても全然楽しくありません。ですが、自転車は一人でも乗れてしまいます。
私が今も自転車を続けていられるのは、その点が大きいかもしれません。一人で出来るスポーツって意外と少ないと思います。

元来、私は人に合わせたり、大勢でツルんだりすることが苦手なので、一人で好き勝手に走って楽しめる自転車という乗り物が、性に合っているのかもしれません。

もちろん、気の合う仲間と一緒に走るのが最も楽しいのは、間違いありません。ですが、自分の場合はソロライドでも結構良い線まで楽しめていると感じています。

5. 自転車の乗り方は様々で自由。時間も強度も自分次第。

上の写真、木が根っこから倒れていたりと、結構ハードな印象かもしれません。でも実はここ、横浜市青葉区の自宅から自転車で20分ほど走った近所の里山の中です。
そもそも自転車に乗っていなかったら、この場所の存在に気付いていなかったかもしれません。

写真では坂を下っていますが、このトレイルの上りが、段差あり、溝あり、滑りやすい土質、急なカーブありでけっこう手強いルートなのです。
私の場合、たまたま近所にこのような環境があってラッキーなのかもしれませんが、1時間しか乗る時間が取れない時なども、ここに来て反復練習をしています。
そんな短時間でも結構楽しめてしまうのが自転車。

一口に自転車と言っても、種類がたくさんありますし、乗り方も人それぞれ。近所を楽しみたい人、遠くへ行きたい人、上りを楽しみたい人、下りを楽しみたい人、様々な人がいます。
正解はありません。基本一人で楽しめてしまう自転車ですから、自分が一番楽しいと思う乗り方をすればいいのです。

6. 大人子供、男女の違いを越えて、みんなで一緒に走ることが出来る。

自転車は、脚力のある人(上級者)が、そうでない人に合わせてあげれば、一緒に楽しむことが出来ます。
例えば奥さんとかお子さんと一緒に、楽しむことが出来るのも自転車の魅力です。家族みんなで、コースの難しさや坂の辛さの体験を共有出来る
これって他のスポーツではなかなか出来ないことかと思います。

このことは、ロードバイクだけに乗って一生懸命トレーニングしてた時には、わからなかったことでした。
2年ほど前にマウンテンバイクに乗って、山の中を走るようになってから気付いたことなのです。土の上を走っているとリラックス出来て、スローを楽しんでいる自分を感じます。

ゆっくり走ることで、これまで見えてなかったものが見えてくることもあるし、自転車という趣味をより長く続けることが出来る。そんな気がします。

7. 移動を伴うので、近場であっても旅の要素を含んでいる。

私自身、自分が飽きずに自転車を続けて来られた理由が、「自転車には旅の要素がある」という点にあると思っています。
元々若い頃はバックパッカーで、国内外問わずあちこち放浪していたのですが、その旅好きのDNAを自転車はくすぐってくれます。

「行ったことのない所に行ってみたい。」
「見たことのない景色を見てみたい。」
「いろいろな文化に触れてみたい。」

移動を伴うスポーツであるサイクリングは、このような旅の要素をはらんでいるのです。
長い距離の移動であればもちろんですが、例え半径1km程度の短い移動であったとしても、見知らぬ路地を入り、意外な光景や、知らなかったお店などに出会った時に、「旅」を感じることが出来るのです。

そして、その移動は自力であることに、さらなる価値がプラスされると個人的には思っています。
毎回新たな発見があり、好奇心を刺激してくれること。これが私が自転車に乗り続ける理由かもしれません。

8. 誰でもすぐにサイクリストになることが出来る。

そして最後に、自転車というスポーツは敷居が低く、誰でもすぐに始められます。
機材が必要という面はありますが、資格やライセンスは要らないし、いつでもどこでも始めることが出来る。
「明日から俺はサイクリストだ!」というのも全然アリです。

そして、自転車という「相棒」を手に入れた瞬間から、様々な可能性が一気に広がるのです。

私にとって自転車とは、「日常を非日常に変えてくれる、とても身近でフレンドリーな道具。」
こんな時だからこそ、自転車の持つ様々な魅力がキラリと輝いている。そんなふうに私は感じています。

もしこの記事を読んで、自転車にちょっと興味を持っていた方が、実際に乗っていただけたら、とても嬉しく思います。
また、かつて自転車に乗っていたけど、今は乗っていないなぁと方がいらっしゃいましたら、もう一度その相棒と共に風を切ってみてください。また新しい景色が見えてくるかもしれません。

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